はじめに
日常的に鍼灸治療を受ける人の数は想像よりずっと少ないです。
風邪をひいた時は内科、怪我をしたら整形外科、皮膚疾患では皮膚科など。体に何か異変が来た時に鍼灸院に行こう!という選択肢はなかなか出てこないかと思います。
私が身近な人から聞くイメージとして一番多いのが、「どこの病院に行っても良くならなかった、最後の最後にダメ元で鍼灸治療を試してみたら良くなった!」というポジティブなイメージながらなかなか治療院は縁遠い、というものや「ちょっと胡散臭い」「鍼灸治療って本当に効くの?」といったちょっぴりネガティブなイメージのもの。
ただ実際に私も、治療目的のカウンセリングではなく日常会話の中で「鍼灸って何に効くの?」と聞かれると全然うまく説明できません。
東洋医学って勉強すればするほど奥が深くて、それこそ急性的な症状から慢性的な症状にも効果を発揮することができたり、でもいろんな流派や考え方があって、その考え方の違いによっては鍼灸師の先生でも見解が異なる部分があったり・・・
まだまだ勉強段階の私が鍼灸にはこんな効果も期待できて!こんな人にもおすすめで!あ〜全然大丈夫それも良くなるよ!とは言えない現状です。
例えばこんな話を聞いたことがあるよ、こんな例もあるみたいだよ、程度です。
頭の中でいろんな言葉が駆け巡りますが、まだうまく言語化できるフェーズには入れていないのでこれからこの場を借りてうまく言語化して10人中7人くらいに東洋医学って面白い!と思ってもらえるようになれるよう頑張ります。
鍼灸のユニークな治療法
伝統的な中国医学の一つである鍼灸は、体の特定な点に鍼を刺すことで体のバランスを整え、さまざまな症状に対応する治療法です。長い歴史を持つこの方法は現代においても多くの人に支持され、新しい健康法としても注目されています。
鍼灸の治療プロセス
鍼灸治療は、まず患者さんの症状を詳しく聴取するところから始まります。鍼灸師は舌の色や形、顔色、声の状態、脈の状態を見て体の状態を把握し、その後、体の流れを調整するために経絡に沿って点在する経穴に鍼を用いて刺激を与えます。
使用される鍼は非常に細く、刺入の深さや角度、刺激の強さは患者さんの状態に応じて厳密に調節されます。
術後は、鍼の刺激が体内のエネルギーの流れを整えることで、自然治癒力の促進を図っていきます。このプロセスにより心身のバランスを取り戻し、健康の回復を感じます。
経絡と経組の重要性
鍼灸学において経絡とは体中を流れるエネルギーの道であり、経穴(ツボ)はその経絡上に存在する点のことを指します。これらは身体の内部と外部をつなぐ重要な要素で、鍼灸の治療ではこれらの経絡や経穴を刺激することで、体内の気の流れを正常化し様々な病気や不調を改善します。
例えば、頭痛や肩こりなどの対策としてその原因となる経絡に沿って複数の経穴を治療することがあります。経穴の詳細な位置や刺激の方法は複雑で、正確な知識と技術が必要です。
痛みを感じることはあるのか
一般に、鍼治療を受けた際に痛みを感じることは少ないです。痛みを不安がる人が想像するより、感じる痛みは少ないと思いますが、鍼を刺す位置や深さ、個人の状態や感じやすさなどによっては軽い痛みや違和感を感じることがあります。
しかしこれらは通常、短時間で軽減し多くの患者さんは治療後に軽やかさやリラックス感を感じます。また、鍼を刺した後に温かみを感じたり体が重く感じることもありますが、これは治療による正常な反応の一つです。痛みを心配する人もいますが、専門的な技術を持った治療者によって行われる鍼治療は安全で、痛みは最小限に抑えられます。
おわりに
現代西洋医学では「病気」を見つけるための検査や、「病気」を治すための治療をすることがほとんどです。
東洋医学では今ある症状、急性症状に対して局所的な治療をすることもあれば慢性症状に対してその症状の原因である根本的な治療をすることもあります。
その人の体質やその日の体調に合わせて、刺す鍼の本数、深さ、刺し方も変えてアプローチするので、治療を受ける時はなるべく同じ鍼灸師に継続してかかることをおすすめします。
「症状」に向けてだけではなく、「個人」に合わせたアプローチが可能です。そしてその人の体の状態から体質、生活習慣、季節なども含めて治療を組み立てていくので、しっかりとしたコミュニケーションをもって様々なことを判断していきます。
私はなんて奥が深いんだろうとびっくりしました。正直、症状に適したツボさえ覚えていればいいというものではないので勉強も修行も終わりはないんだな・・・と。今は鍼灸治療は自分の中にある知識を総動員してオーダーメイドでカスタムしていくものだという認識です。またこれも正解ではないのでしょうが。
自分自身の性格を語る段階に入ると長くなってしまうので割愛しますが、そういう考え方は大好きで、かつ苦手な部分なので今後も勉強あるのみです。